昨年の9月に式場を予約してから、緩やかに結婚式の準備を進めてきた。

ここ1, 2週間は、「あと何をやらなければならないか」を式へのカウントダウンとともに日々アップデートする毎日で、いよいよ準備も大詰めになってきていた。

「どんな結婚式にしたいか」を考えるにあたり、まず第一に「どうすればゲストのみんなが喜んでくれるか?」をふたりでじっくり話し合った。

最終的にふたりのこだわりもたくさん盛り込んだが、ゲストの目線は常に忘れないよう心がけた。

結婚式準備は夫婦ふたりが、「ゲスト」という同じ方向を向き、協力して前に進んでいくものだと日々感じる。

ふたりが同じ方向を向いて進むことは、これからの人生においても大事なことであり、それが夫婦の理想の形だと思う。

しかし、同じ方向を向くだけでなく、時にお互いの方を向き、見つめ合い、お互いのことだけを考える時間もまた、夫婦にとって大事なことだ。

結婚式準備に本当に真剣に向き合ってきたからこそ、妻の方を向くことが少し疎かになってしまっていたようにも思う。

そのため今日こうして結婚式を迎えるにあたり、もう一度真剣に、妻の方を向いてみたい。妻と結婚式を挙げることの意味を、真剣に考えてみたい。

結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです

ゼクシィのこのCMを聞くたびに、思い出すことがある。

婚活サービス「ヒトオシ」でオンラインで初めて顔を合わせた直後に、LINEでお食事に誘った日のこと。みなとみらいで勇気を振り絞って告白した日のこと。何日も悩んで練って迎えたプロポーズの日のこと。

すべては妻と結婚するために自らが選択したこと。すべては妻と幸せになるための大きな一歩だったこと。

妻に告白したあの日、妻から「この告白は結婚が前提ということで合ってますか?」と聞かれた。

私は迷うことなくその場で「はい」と即答した。これから先もずっとこの人といたい、だからこそ今日こうして告白をしたのだと思ったからだ。

しかし付き合って数ヶ月が経つと、「結婚」に対する温度感の違いから妻と何度も話し合いをすることになった。